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DESIGN

最終更新日2004-06-07


設計 (DESIGN)

入力→初段

入力インピーダンスはある程度自由に決められる。
大体の民生器は10kが多い。
今回は20k
VRをパラにしても10k以下にならない値を選んだ。
プレート負荷抵抗は22k
5mA流して電圧降下 = 5mA x 22k = 110V
5998のバイアス電圧である25Vを振っても余裕がある。
必要なドライブ電圧はPeakで25V,P-Pで50V,RMSで18V。
初段での歪率をできるだけ小さくしておきたいので,プレートのスイング可能な電圧を大きくして余裕を持たせたい。
電流をたくさん流して出力インピーダンスを低く,ドライブ能力を高くしたい。
最大出力で数%以下の歪率にしたい。
6N1Pは低電圧がお好きなようなので,プレート電圧を200Vに,プレート負荷抵抗による電圧降下(110V)を足して電源電圧(+B)は大体310V

定電流回路

CRDのデータは石塚電子のHPにデータあった。
10mAのCRDは7〜10V以上で負性抵抗になるようだ。
ということは7〜10Vでインピーダンス無限大??
というのは見かけで,この負性抵抗的な特性は温度特性に原因があり,あくまでも直流での話。
しかしながら,CRDの内部抵抗は数100kなので,CRDにかかる電圧変化はできるだけ小さいほうがよい。
カスコードトランジスターを積み上げて,内部抵抗を稼ぐ。
トランジスターは2SC1815を採用。
電源が-30Vなので22kと8.2kで分圧してCRDに電圧をかける。
30V / ( 22k + 8.2k ) x 8.2k = 8.15Vが分圧された電圧。
ここからトランジスターのVBEを0.6Vとして,8.15 - 0.6 = 7.55VがCRDにかかる電圧。
CRDの特性が一番安定している電圧を狙った。
シミュレーションの結果では低周波でのインピーダンスが350kから12Mに大きく向上した。

5998周辺

5998のグリッドバイアス抵抗を100kにする。
前述のように熱暴走させないために小さ目の値にする。
寄生発振防止抵抗は100Ω
バイアス電流検出抵抗を
バイアス回路は5kBのVRを使う。
バイアス電圧調整範囲は25±5Vあれば十分で,この範囲内でできるだけ細かく調整したい。
調整範囲を広げると調整感度が高くなって微調整が難しくできなくなる。
マイナス電源は-30V。
10V / 5k = 2mA(調整用VRに流れる電流)。
2mA x 4本 = 8mA。
調整用VRには20Vの下駄をはかせるので。
20V / 8mA = 2.5k
左右チャンネル別にする場合は5k。
段間結合コンデンサーは0.47uF以上。
負荷が小さい(カソード抵抗が100k)のでCを大きくしてFcを低くする。
負荷が100kだと3.4Hz。

電源

-C電源は整流出口では70Vになる予定。
実際に供給するのは30Vなので,70V - 30V = 40Vがフィルター部での電圧降下として使える。
電流計算:10mA + 10mA + 8mA + 2mA = 30mA(左チャンネル初段電流+右チャンネル初段電流+バイアス回路電流+CRD回路電流)
40V / 30mA = 1.3k
この抵抗が消費する電力は,0.03A x 0.03A x 1300Ω = 1.17W
+B電源は整流出口で400Vの予定。
実際に欲しい電圧は310Vなので,400V - 310V = 90Vの電圧降下が必要。
左右チャンネル合わせて20mA流れるから,90V / 20mA = 4.5k
消費電力は,0.02A x 0.02A x 4500Ω = 1.8W
抵抗器は消費電力の2倍以上の定格をもつ品種を選ぶ
左右のチャンネル別にカップリングCを設けて電流ループを分離する。
そのため電源に1k入れるが,電圧降下は 10mA x 1k = 10V,誤差に埋もれるくらいだ。
ダイオード直後に10Ωを挿入。
コンデンサーに流れ込むピーク電流抑制が目的。
放電用の抵抗は470k5W
いまいち放電されないので,もう少し小さくしときゃよかった。
ヒーターは100Ω-100Ωで中点をアース。
5998の160Vはチョークインプット整流を採用。
全て理想的ならAC160Vを整流すればよい。
パワートランスの巻き線抵抗,整流ダイオードの電圧降下,チョークコイルの巻き線抵抗などのロスを考え,シュミレーションの結果AC200Vのタップが必要。

コンデンサーの耐圧

初段用電源は整流電圧が400Vなので,450V耐圧のコンデンサーを使う。
300V耐圧では無負荷時(真空管を挿さない時や,ヒートアップする前)に耐圧をオーバーする。
出力用の電源はチョークインプットでスタンバイスイッチがある前提で耐圧250V
つまり,ヒートアップしてから電源を投入することが前提だが,保険をかけるなら耐圧300V以上がよい。
マイナス電源はCRDが動かない時(無負荷)でも最大マイナス50V

特注トランス

1次側:0 - 100V
2次側:0 - 180 - 200V, 500mA(出力段用)
280V - 50V - 0V - 50V - 280V, 100mA(初段用)
(0 - 6.3V, 3.5A) x 2(ヒーター用)
容量は200V x 0.5mA + 280V x 0.1mA x 2 + 6.3V x 3.5A x 2 = 200.1[VA]です。
ショートリング静電シールドをつけてノイズ対策をしています。

チョークコイル

チョークはチョークインプット対応の5H
300mA流せるタンゴのLL-5-300Dです。
メインのケミコンは2200uF250V日ケミのネジ端子のKMHです。

構造設計

シャーシの構造
シャーシは案外金がかかる。
木枠にアルミ板を載せたシャーシを作りたかった。
木枠は10mmのアガチス単板に両サイドが14mmの桜,正面・後面が5mmのチークを張り合わせて構成。
内側のアガチスの高さをを3mm低くしてそこにアルミ板を載せた。
天板は一枚板なので穴あけが楽だった。
天板はt=3mmのアルミ200x300mm(トランスを載せるとしなる!)
電源部と増幅部間に仕切り板を立ててお互いを分離。
信号系のグランドとしてサブシャーシを採用(アルミt=2mm)
振動のアイソレーションを完全にできればよかった。
天板にサブシャーシをとめるビスを出したくなかった。
側板にネジ止めにしたけどえらく大変だった。
シャーシを深くして3Dコンストラクションにしたが,深くて作りこみが大変だった。

部品配置

結構窮屈。
電源トランスは向きに注意。
チョークコイルはしっかりシールドされていることを信じてOPTの近くにいることを許す。
でも微妙にハムが聞こえんるんだな。片チャンだけ。
左右チャンネルのグランドは魚の背骨式グランドか1点グランドが良いので電源をはさんで左右に分離したりせずに隣に配置。
もっというなら左右チャンネルの部品配置が物理的に同一となるように。
電源からOPTへはタイトに配線できるように配置。
大電流をぶんぶん引き回すと精神衛生上よろしくない。
入力まわりはできるだけコンパクトにまとめる。
小さい信号電流をチョロチョロと引き回すのもよくない。
入力と出力を近づけると浮遊容量で発振気味になったりする。
前から入って後ろから出るという構成。
横から電源供給。
信号線と電源が交差するときは直交するように配置。
平行に走っても良いのは電源とグランドだけで,信号線はそれぞれ独立に這わせて,交わるときは直角に。
っといっても今回のアンプには信号線を引き回す部分はない。
カップリング用のCの大きさを考えると5998と6N1Pの距離を近づけられない。
グランドは信号の流れと直流の流れを分けて考える。AC/DCグランド法(勝手に名前をつけました)
サブシャーシ上の配置は信号電流ループを最小にするように部品を配置。
電源のデカップリングコンデンサーは増幅段の直近に配置する。
今回は差動なので,信号電流はぐるぐる回りになるので,そんなにシビアに考えなくてもいい。
シングルアンプでは,信号電流がモロにデカップリングコンデンサーに流れるので直近に配置する。
出力段は流れる電流が多いのでS/Nがよくなり,インピーダンスも低いのでノイズの影響は出にくい。


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