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2010まとめ

最終更新日2010-12-30


年の暮れも迫り,これで店じまいとなろう。


重要な部品これでFIXとしたいと考えています。今は。
内部はこのようになっています。目新しいものはチョークです。30HのチョークをSGに入れてみました。
VOX AC-30,Matchless DC-30は20Hを使用しているようです。ただし,100mA流せるものを使用しているようです。
これらのDCRは500Ω程度と言うことですが,手ごろなチョークが入手できなかったので,とりあえず30H・20mAを入れました。
コレだと連続してフルアップ状態で演奏するとチョークが燃えるかもしれません(汗)。。
それとDCRが1kΩ位ありますので最大出力が低下します。

もう少しチョークについて書くと,プリの電源とSGチョークは別系統にしています。プリはプリで音作りをしたかったからです。
チョークを入れた場合,最大出力時にはSG電源が20V以上ドロップすることを確認しています。
SG電源とプリ電源を共通にする通常の設計ではSG電源の挙動がプリの音にも影響があることは確かです。

で,重要なチョークの効果ですが,音速が上がります(笑)。
ピッキングニュアンスがよく出るようになります。
ま,効果が出てくるのはフルアップに近いところなので普段はあまり恩恵にあずかれません。


プリアンプ部分の拡大しました。
配線材はクロスワイアーから低容量の配線材に変更済みです。
入力周りの配線もLANケーブルの中身をスタークアッド接続に改造したものに換えています。
初段に巻き線抵抗を投入したのはレポート済みなのでここでは触れません。写真のみの登場です。
OD段の負荷抵抗はゲインバランスを重視した設定になっています。これもレポート済みです。
年末のお楽しみとしてドライブ段のプレート抵抗にREX75を使ってみました。
やや,明るさと滑らかさが増したように思います。ギスギス感じにはならなかったのは狙い通りです。
また,カソード共通抵抗をREY75にしてみました。ノイズの最小化が主な目的です。
REYやREXの1Wはリード線が太くて気に入りました。


電源部分とパワー管周りの眺めです。
チョークコイルの追加と,スナバーの変更が目新しいです。
スナバーは1000pF-51kΩとしています。黒い四角のマイカコンデンサーと,緑のコンデンサーの下にチラっと見えるエンジ色の抵抗がそれです。
残す懸念点は,「電源スイッチの両切り化」,「GNDスイッチを何とかする」の2点となりました。


主整流器付近の眺めです。
SiC-SBDを投入しています。TO-220形状でフィンが電極を兼ねているため,触れると感電の危険があります。そのため熱収縮チューブを被せています。
ダイオードと直列に4.7Ωを入れています。これはラッシュカレント防止と整流ピーク電流の削減が狙いです。
密かにノイズ低減にも期待しています。ここには巻き線抵抗を使用しています。
緑の2kV耐圧のフィルムコンと汎用の低耐圧なSBDが見えます。
これは通常のファースト・リカバリ・ダイオードを使っていた名残で,リカバリーノイズをシャットアウトして増幅部に入れないための工夫です。


ブースト回路周辺です。コテコテと部品が追加されています。 初段のFETはソースからドレインにカスコードがかけられています。
古典的文献を紐解いたところ,J-FETは3極管比べて(原理的にですが)ノイズが1/4になるそうです。


初段プレートに投入した巻き線抵抗です。高抵抗の巻き線抵抗はなかなか入手できません。


ここから録音コーナーです。セッティングは断りがない限り全て同一です。
ややミドルを抑えてダンブル臭さを消しています。

BRIGHT DEEP ROCK MANUAL ACCENT
VOLUME JAZZ TREBLE MIDDLE BASS PEDAL OVERDRIVE LEVEL


今回はフルアップの大音量で録音を行いました。
どのくらいの音量かと言うと,いろんなものがビビって棚の上に置いた物が落ちてきました。
胸に音圧が来ます。流石にこの音量だと簡易防音の我がスタジオでは近所からクレームが来そうです。
耳が痛くて耳鳴りがするのでヘッドフォンで収録音をモニターしながら録音しました。あまりに音がでかくてちょっとビビッてます。

フルアップなので録音環境は今までとずいぶん違います。
PCM-D50内臓のマイクは音がでかすぎてサチってしまいました。
久しぶりにSM57を引っ張り出して録音しました。

SM57はスピーカーから60センチくらいの距離に設置し,ほぼエッジの端あたりを狙います。ま,テキトウです。コレがLチャンネルです。
もう一本RチャンネルはRAMSAのダイナミックマイク・D65をタンスの上からキャビを狙って設置しました。
部屋の鳴りを収録するのが狙いです。立ち読みしたPlayerの土屋さんの記事が刺激になりました。

マイクはタムラのTHS-2を通してバランス・アンバランス変換とレベル変換を行い,PCM-D50のマイクインプットに接続しています。 録音目盛りはクリーンでもオーバードライブでもディストーションでも「3.5」固定です。
PCM-D50を使用しているので,LRは目一杯に振った状態です。LがSM57,RがD65です。
マイクの設置箇所が違うので音像はLよりに定位します。間違ってもRのみで聞かないように。

後処理は全く行っていません。44.1kHz-16bitの完全に録りっぱなしです。

あ,それから初段はずっと使ってきた5751・ブラックプレート・トリプルマイカから,JAN(GE)の12AX7に変えています。
ゲインを少し上げてみたかったからです。
ちなみに,パワー管はTADの6L6WGC-STRです。見た目はGEスタイルのショートボトル,プレートは黒色です。


音がでかくていろんな意味でいろんな物がビビッているので,録り直し出来ませんでした。
一番ビビッているのはマイ・チキンハートです(汗)。。
で,いつもどおりミスタッチというか演奏中断が度々ですが,聞こえないことにしました。

NOR INPUT。
クリーンからオーバードライブギリギリくらいですが,とにかく音圧がすごいです。 低音がすごいのは当たり前ですが,中音域が暴力的で音の塊でストラトのボディがビリビリいう感じがします。
ストラトのネック側のピックアップです。
101230_ST_cl.mp3

NOR INPUT。
クリーンチャンネルからオーバードライブに切り替えて,最後にブーストスイッチを踏んでいます。 ストラトのセンターピックアップです。
101230_ST_cl_od_bst.mp3

NOR INPUT。
ES-335のセンターハーフです。
クリーンチャンネルですが,ハムバッカーだと歪みます。途中からオーバードライブに切り替えています。
101230_335_cl_od.mp3

NOR INPUT。ES-335です。
オーバードライブチャンネルです。ピックアップはブリッジ側です。
最後の単音フレーズはネック側のピックアップに切り替えています。
強く弾くとこんな感じになります。
耳が痛くてヘッドフォン無しには弾くことが出来ませんでした(汗)
101230_335_od.mp3

FET INPUT。ES-335,DEEPスイッチはOFFにしています。
ディストーションさせるとこんな感じになります。
このゲインではハムバッカーでもピーピー鳴りまくるのでスピーカに対して90度に構えて演奏です。
この音量でも崩れないのはVINTAGE30のおかげかと思います。抜けもいいし。
中盤のチョーキングが宙を駆ける3次元サウンドになりました(笑)。
101230_335_dst.mp3


大音量で演奏すると,抜けもよくなり麻薬的なハイも出てきます。 とにかく音圧と反応がよくて,よく「ピッキングする前に音が出る」という例えがありますが,まさにその通り。 ピッキングレスポンが早くて細かいピッキングニュアンスがそのまま出てきますので,ギターに張ってある弦が体の一部に一体化したような快感があります。 チョークコイルの追加で更に音速が増して表情が出てきたように感じました。

普段小音量で練習しているとどうしてもピッキングが強くなってしまいますが,弱いピッキングで表情豊かな演奏がをするためには大音量での練習が不可欠だなと思いました。
今回は6L6WGC-STRですが,TADのKT-66ではさらに音圧があがった経験があるので,機会があれば試してみたいと考えています。


追記:110105
今回,試験的なマイキングでしたがよく聞いてみると色々と面白いことがわかってきました。
まず反省点,音量が小さい。これは設定ミスかな。ダイナミックマイクだとピークが出にくいみたい。これ以外に。。。
@Rchにショート・ディレイがかかっている:クリーンのブラッシングが一番よくわかる
A低音を弾いたときの「ズン」とか「ボワ」っといった空気感がよく録れている:335のクリーンでよくわかる
ギターアンプのマイキングって案外奥が深いんだなと認識した次第です。


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