うちのオーディオ・システムまとめ
ほぼ自作のシンプルなシステム
プア・オーディオってパンクだろ?
オーディオソース
良い録音,良い演奏を探し求めています。レビューに振り回されてばかりでなかなか巡り合えません。
20代は60年代ロックしか聞きませんでしたが,就職とともに自由になるお金が増え「古今東西名盤の旅」を始めました。 今はジャズ,ロック,フュージョン,クラシック,ポップ,ボサノバ,レゲエ,民族音楽・・・何でも聞きます。
プレーヤー
ソニーのブルーレイ・レコーダーでCD・DVD・地デジが再生可能です。 デジタル・プレーヤに求めらる性能は操作性とあらゆるディスクを安定して読み込む性能です。 ソニーはプレステを擁する世界屈指の光ディスク・ドライブのメーカー,滅多なことでは音飛びしません。 いつかCDプレーヤーも自作したいな・・・
ブルーレイ・レコーダでまともな音が聞けるのか?そのために自作DACを使っています。 プレーヤはデータを正しく送り出すことができればよいです。 ノイズ遮断し,GNDを分離するために光ファイバ(TOS-link)を使って接続しています。
レコード・プレーヤーも欲しいのですが,置き場所がなく,もう少し子供の成長を待つことになりそうです。
DAC
PCM1704 DAC製作記事最後のマルチビットDACともいえるPCM1704を使った自作DACをずっと使っています。
デジタル再生おいて最も重要なクロックとジッタの問題を真剣に考えるとまともな製品が無かった(あっても高価だった)のでこのDACを作りました。
クロックのジッタを減らす手段としてDDSやジッター・クリーナーと呼ばれるPLL回路が使われることがあります。 こういった回路技術は通信機器や情報機器など,非常に高い周波数を使うシステムに最適化されています。 オーディオ帯域のジッターは考慮されておらず除去することはできません。 なぜならば,これらのクロックの発振源はIC内蔵のVCOと呼ばれる回路だからです。 VCOはジッタが大きく,PLL回路の働きによってジッタを抑圧することもできますが,オーディオ帯域では抑圧効果が発揮されません。
だからと言ってデジタルデータを破壊するSRC(サンプルレート・コンバータ)を使うのは反則です。
最適な答えはジッタの少ないクロック源をPCM1704のすぐ近くに置き,直接駆動することです。 DACの近くにクロックを置けば再生系・伝送系で発生するジッタの影響はなくなります。
ところがプレーヤは自身が持つクロックに合わせてデータを送信してきます。再生側で同期を取らないと再生できません。 そこでクロックのズレを検知して補正する回路を内蔵したFIFOメモリによるデータ・バッファを作りました。 クロックのズレは最大で数百ppm発生しますが,補正は10秒ほどかけてゆっくりと滑らかに行われます。
なお,クロック源には純度の高いクロックを生成できる水晶発振器(XO)を使います。周波数可変なのでVCXOです。 発振回路はノイズの少ないバイポーラ・トランジスタを使ったディスクリート回路を採用しています。
ルビジウムやセシウム,GPS衛星など高精度クロックの話題もありますが,実はこれらの高精度クロックの発振源も全て水晶発振器(VCXO)なのです。 ですから水晶発振器に磨きをかけること,これがジッタ―対策の道と心得ます。
PCM1704の出力は非常に高速な電流帰還オペアンプでIV変換します。その後パッシブ・フィルターによってアクティブ・フィルタでは除去できないスパイク状のノイズを除去します。 PCM1704はL/R各チャンネルにそれぞれ差動で2個使っています。差動合成することによってコモンモードノイズを除去します。 通常使われる差動シングル変換回路はインピーダンスがミスマッチで変換誤差が出てしまいますので,インピーダンスをマッチングさせたダブル差動シングル変換回路を使っています。 ここで,コモンモード・ノイズを除去しつつ,アクティブ2次フィルターによって折り返し成分も除去しています。 オペアンプはAD810とAD8620を使用しています。
PCM1704からIV変換回路,LPF回路,DAC出力に至るまでにカップリング・コンデンサを排除したDCアンプにしています。DCサーボもありません。 精神衛生上よろしくない大容量の電解コンデンサやお財布とスペースに厳しい超大型のフィルムコンデンサを使わずに済んでいます。 おまけに直流を含む超低域を伝送することができます。
プリアンプ
プリアンプはソースの切り替えと音量調整が主な役割ですが,ソースをDACのみに限定していることから何かと問題の多い切り替え回路を省き,音量調整に特化しています。
TKD(東京光音電波)のT型ATT(600Ω)で音量調整しています。 600Ωという低インピーダンスでかつどのポジションでもインピーダンス変動がありません。
増幅回路は持たず,完全にパッシブな回路です。内部配線はBELDENのLANケーブルをバラしたツイストペア線を使っています。 低インピーダンスなので熱雑音が小さく,インピーダンス変動もありませんのでどのポジションでも音色に変化はありません。 普段は最大でも-20dBの位置,夜間は目盛りひとつかふたつ(-60dB付近)で聞いています。小音量でのギャングエラーが無い点も有利です。
電子ボリュームも気になっていますが,インピーダンスが高く,熱雑音を発するので敬遠しています。
パワーアンプ
電流帰還DCアンプ製作記事パワーアンプは紆余曲折ありましたが,まずは現代的な方向性を極めるために,DCアンプとして,かつ高速・安定動作を確約するために電流帰還アンプとしました。
入力段にバイポーラ・トランジスタを使った電流帰還アンプながらDCアンプとしてしまう荒業に挑戦しています。 入力バイアス電流は0.1uA以下,出力オフセット電圧は10mV以下で安定しているのが自慢です。
出力段素子は高性能な最新のMOSFETからコンプリメンタリ・ペアにできそうな素子を選んで使っています。 スピーカーが高能率なので出力はたった10Wですが十分。ボリュームを全開にすると家庭崩壊しそうなほどの音量になります。 また,DACもアンプも十分ローノイズに仕上げていますので,スピーカーに耳をつけてもノイズは聞こえません。
DACからスピーカーまでDC直結なので完全なDCアンプ・システムになっています。
2020年春に冬用アンプとして直熱三極管「211(VT4C)」を使った真空管ステレオ・アンプを作りました。
2020/04/23:211シング・ステレオアンプ
スピーカー
JBL D130エンクロージャー製作記事軽やかで自然な低音再生を目指して大口径・超高効率スピーカー・ユニットを生かしたバスレス・タイプを自作しました。 JBL D130が中心ですが,ブラジル製(PRV)のホーン・ツイータ,TW350Tiを追加しています。 それだけでは物足りず,ドイツ製(ISOPHON)のP1318という楕円形フルレンジも足してみました。
PRVのホーン・ツイーターはチタン・ダイアフラムでJBL 075と同様のリング・ツイーターです。 しかし,SR用で指向性がナローでスイート・スポットが狭く,聴く位置によってはバランスが取れません。 そこでステンレスの球体で拡散させて無指向性として使っています。
D130とホーン・ツイーターだけではドンシャリ気味で色気がないので,中域に後面解放のドイツ製のオーバル・フルレンジ追加しました。 D130の軽やかな低音にマッチしたアタックが明確で抜けの良い中域再生を担っています。
クロスオーバー周波数はフルレンジ,ツイータがそれぞれ450Hzと4kHzですが,ウーハーとフルレンジの高域側は落とさずに出っぱなしとしています。 LPF用のコイルはコスト的にも音調的にも不要と思います。 ユニット固有の好ましくない分割振動(周波数特性のピーク)は機械的につぶすべきで,素直な特性のユニットを使いたいです。
これでハードロック,パンク,マイルス・デイビス,交響曲,室内楽,童謡,レゲエ,フュージョンなんでも聞きます。
2018/08/27:現在はD130を2220に換装しています。 2220リコーンの記事。
リスニングルーム
タダのリビング・ルームです。 壁は珪藻土による漆喰塗りですが,フラッターエコーがあるので,本気で聞くときは壁に座布団を立て掛けます。 特別な工夫は特にありませんが,家庭の事情を優先しスピーカーを壁に密着して配置しています。 普通のスピーカーを壁に密着させると低域がブーミーになってしまいますが,自作なので調整可能です。 置き場所を見越して弱めのバスレフにしましたのでブーミーになることはなく,壁に近づけることによる低域増強効果と相まって自然な低音になっています。
総評
振動板の軽い高能率・大口径ウーハーは深夜にひっそりと小音量で鳴らしても低域がはっきりと聞こえます。 スピーカーを部屋の隅に配置しているせいか部屋全体を包み込む自然な音場になります。 自分より高齢なビンテージ・高能率スピーカー達は最新のスピーカーのような迫真の音場・くっきりした音像という訳にはいかないのですが,空気によく馴染む自然でリアルな音を出します。 無指向性のツイーターは解像度とフォーカスを求めると不満がありますが,リスニングポジションが限定されないので部屋のどこにいても心地よい音で音楽を楽しめます。 リビングルームにBGMがあると場も和みますし,操作系をシンプルにしてありますし,どんなジャンルの音楽でも再生できるので家族と楽しむオーディオとしては上出来と思っています。
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