JBL D130 2-Way スピーカーシステムの自作

JBL 2220に乗り換えました。

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JBLとD130

JBL D130 1948

JBLのD130はJ.B.Lansing氏自身が設計したと言われています。 ALTECで輝かしい実績を残したLansing氏は1946年に独立してJBL社を設立します。そしてD130は1948年のカタログの表紙を飾っています。 時代が下ると共にD130はK130へと進化し,1980年のカタログに最終形態であるE130が登場しています。 E130は1998年のカタログにも記載されています。つまりカタチを変えながら半世紀もの長きにわたって作り続けられてきたわけです。

現在に至るJBLの成功の歴史を見ていくと,D130で確立された4インチ・ボイスコイルとダイキャスト・フレームの形状はまさにJBLのシンボルでした。 D130はJBLの原点であり魂そのものといえるのです。 そして悲しいかな,アルテックにおいて腕を磨き,独立して自らの理想を叶えようとしたLansing氏の終着点でもあるわけです。

1948年のカタログの文言を引用してみます。勝手に訳してます。

このスピーカは15インチのスピーカー・ユニットです。 特に音楽再生とPA用途に向けて設計されています。 このスピーカーはとても高効率です。 フレームは軽量かつ高強度を実現するためにアルミニウム・ダイキャスト製です。 ボイスコイルの直径は4インチあり,ギャップ中の磁束を有効利用できるようにアルミニウム・リボンを巻いて作られています。 高音域を伸ばすためにアルミニウムのダイアフラムをボイスコイルに直接取り付けています。 緩やかにカーブしたダイアフラム(コーン)は高音域における金属ダイアフラムからの放射に対して反射などの影響を最小限にとどめます。
大型アルニコV磁石は漏洩磁束を避けるために全体が大型の磁気ケースに格納されています。 新たにデザインされた磁気回路は磁石をより効率的に使いユニットに対するスペース低減の要求に答えています。 また近くに置かれた電子銃やブラウン管にも影響を及ぼさないでしょう。

続けて1948年のカタログからリアルな音色を生み出す秘訣を抜粋します。

  • 大型磁気ケース : 磁石を完全に包み込み高効率磁気経路を形成,漏洩磁束を減少
  • 大型アルニコVマグネット : 最高の効率が得られるデザイン
  • 大型アウター・ポールピース :
  • 堅牢な位置合わせリング : アルミニウム・ダイキャスト製,磁気ギャップの調整を保証するためアウターポールピースにきっちり固定
  • インナーポールピース : 位置合わせリングに精密にフィットし磁気ギャップを保持
  • アルミニウム鋳造フレーム : 軽さと強度と最大限の剛性を発揮
  • ボイスコイル : エッジ・ワイズ巻きリボン・ボイスコイルは磁気ギャップ中の抵抗値を最小化してより効率的な動力を発生,堅牢なコイル構造も実現
  • 振動板 : 一体成型のモールデッド・ペーパー
  • 高音域金属ダイアフラム : 超高感度の球状ダイアフラムがボイスコイル・ボビンにしっかり固定され,紙製振動板が再生不能な高音域を直接放射,防塵のための密閉も兼用
  • 分厚いコルク・ガスケット : 緩衝と密閉のため

特徴は38センチ(15インチ)という大口径と能率の高さです。103dB/W・mあります。 現在に至るまでこの能率を持つユニットは稀有です。 そしてエクストレンジウーハーという呼称の通り,フルレンジに近い思想に従って作られています。 現在では大口径・高能率といった設計思想自体が廃れています。

ボイスコイル径は4インチつまり10センチもあります。 長大なギャップを高い磁束により満たすためにとても大きなマグネットを搭載しています。 それだけで,現代的なコスト削減や効率化といったケチな思想とは相容れない明確な主義・主張を感じます。

コーンは薄くて軽く,これを強力な磁力によって駆動して高能率を得ています。 音離れや切れの良さ,立ち上がりが良い爽やかな低音が期待できます。

例えば,グレイトフルデッドのライブシステムではD130を多数使っていました。それは「WALL OF SOUND」と呼ばれていました。 フェンダーのギターアンプにもD130が使われています。SRVも使っていました。

そういった逸話からもロック向けのスピーカーだということがよくわかります。

だからこそ欲しかった・・・

D130から放射されるエネルギーを浴びたい・・・

それは暑い夏の出来事だった

JBL D130

ヤフオクに出品されていたD130を冗談半部で入札したら落札してしまいました。

届いたモノは元箱入りのD130でした。サンスイが輸入していた時代のものでした。箱には1974のスタンプがありました。40年ものです。

惜しむらくはE130用のコーンによってリコーンされていたということです。 まあ,オリジナルのコーンを恐々使うよりもいいかもしれません。 アルミのセンターキャップもピカピカです。エッジの状態も文句ありません。

さて,ジミヘンを大音量で聞くか!いや,やっぱりデッドだろ。フーでもいいかも。大人らしくジャズにするか?夢が膨らむが箱はどうする。

と・・・苦悩と苦闘の始まりだったわけです。

まあ,結局はJBL 2220に乗り換えたのですが。。

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DIY Enclosure JBL D130

■1:計画
+1-1:全体的な思想
+1-2:スピーカーの能率と時代的な背景
+1-3:追記:家族と楽しむスピーカー
■2:設計
+2-1:なぜバスレフか
+2-2:箱の容積
+2-3:ポート面積
+2-4:ポート開口部
+2-5:箱の寸法比
+2-6:補強
+2-7:吸音
+2-8:材料
+2-9:バッフルの固定
+2-10:構造解析の導入
■3:製作
+3-1:図面
+3-2:工作関連
+3-3:組立
+3-4:塗装
+3-5:仕上げ・その他
■4:調整
+4-1:補強
+4-3:バスレフポート
+4-2:吸音
■5:測定
+5-1:測定方法
+5-2:インピーダンス
+5-3:音圧
■6:システム設計
+6-1:2-Way
+6-2:ツイーター
+6-3:JBLのホーン・ツイーター
+6-4:ツイーター選定条件
+6-5:クロスオーバー・ネットワーク
■おまけ:ドイツ製ビンテージ・スピーカーの能率


日々の感想

苦行・荒行

塗装めんどい

スピーカーのことを知れば知るほど15インチが妥当だと思うようになってきた

たった1W程度の入力で身の危険を感じる程の音量が・・・

結局のところイソフォンに頼るところが多くなってしまった。
しかしこの低音の軽やかさは今まで経験したことが無い。
特に小音量で真価を発揮する。
電流帰還DCアンプと組み合わせてジャズでもロックでもクラッシクでもなんでもOK!


PROJECT LINK

http://audio-heritage.jp/JBL/
日本語サイト,カタログ情報が豊富

http://www.audioheritage.org
海外サイト,J.B.Lansing氏の遺産

http://www.kozystudio.com
JBL MA15に相当するフロント・マウント用金具の入手,その他資料

http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm
オーディオの科学,スピーカーの物理学

http://homepage2.nifty.com/hotei/room/room.htm
石井式リスニングルーム

http://homepage2.nifty.com/001/audio.htm
スピーカー設計ノート,バスレフ箱研究

http://www.ob.aitai.ne.jp/~anko/
エンクロージャー設計支援ソフトsped

http://shop.woodworks-marutoku.com
木材の調達

http://yokoyama-techno.net
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http://www.diy-tool.com
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