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製作


シャーシ加工

シャーシに真空管ソケット、VR、クリフのジャックなど、各取り付け穴などをドリルであけていきます。
VRは10ミリのドリルで、クリフのジャックは10ミリのドリルで穴をあけた後リーマーで少し広げます。
ドリルは回転速度を変えられる可変速が圧倒的によいです。10ミリのドリルはゆっくり回さないと穴がずれてしまいます。
本当はボール盤というドリルの親玉みたいなやつがあれば完璧です!!!!!!!

10ミリであけた穴はシャーシパンチのシャフトが入るので、16ミリ・25ミリ・30ミリといった大口径の穴はシャーシパンチを利用しました。
今回は油圧シャーシパンチも使用しました。
OPTのリード線を通す穴もあけました。

放熱に不安が残るので6BX7まわりと、カソードのホウロウ抵抗の真上には10ミリの穴をいくつかあけました。ボール盤があれば楽なのにーーー!!

またしてもインジケータ用の穴がありません!後であけなければなりません。


部品の実装

実装はまずVRまわりから進めます。
ギターアンプはVRがやたらと多いのでVR周りの配線は複雑です。
トランスなどを実装して重くなってからではなく、シャーシが軽いうちに仕込んでしまいましょう。

内径2ミリの圧着用銅スリーブを半分くらいつぶすとちょうどボリュームの端子が挿し込めることを発見しました!
VRまわりも圧着とします。
結局部品交換は困難となってしまいました。
しかもbassとmidの端子の接続を間違えたのでつまみ上げると音量が下がる・・・失敗です。

VRを苦労して実装したら今度はPTを載せてヒーター周りの配線を行います。
ヒーター周りは取り回しやすい細めの撚り線を使いました。1.5A流して大丈夫でしょうか?
ヒーターは3系統にわけ、整流管6X4(6.3V0.6A)、出力管6BX7GT(6.3V,1.5A)、MT管2本(6.3V,0.3A×2)としました。

次にACまわりを配線します。ヒューズは必ず入れましょう!常識!絶対!煙吐き防止に!
スイッチはパンサーにもらった古くていかついやつです。
ACインレットは100円です。店によって値段が違います。
前作同様、海神無線で売っているフィルターをつけてみました。バリスタもつけたいのです。

AC周りが配線できたらテストします。ショートはないか、ヒーター電圧は正常か?ヒーター電圧は6.8V出ていました。無負荷なので仕方ありません。

音声信号の配線はIV単線0.8ミリを全面的に使用しました。取りまわしも楽だし、安いし、音もよいらしい(未確認)です。取り回しは撚り線に比べ格段によいです!

おつぎはB電源周りです。プリアンプ部はダイオード整流です。パワーアンプ部は真空管整流です。
プリのダイオード整流は電圧の設計をミスりました。ダイオードのスイッチングノイズ軽減をもくろんで小容量のコンデンサーかましてみました。

なおダイオードは超汎用IN4007デリカシーなしです。ファーストリカバリとか、ショットキーバリアなどいいものがあります。

いよいよプリアンプ部を組んでいきます。

今回は圧着端子を多用しました。
ハンダは音が悪いだとか、このハンダは音がよいとか言う前に、圧着や溶接の可能性を考えたほうがベターです。
異種金属間の接合の問題はかなり複雑です。ハンダを使用すると音が鈍ると言いますが、2本の銅線を錫と鉛の固溶体を媒介させ電子伝導を維持するのは(難しく言えば)なんとも無骨です。
もちろん圧着が理想ではないと思います。圧着スリーブなどはメッキされていますし、経年変化や酸化の問題にも不安が残ります。
理想的には溶接でしょうか。実際溶接だけで組んだアンプも沖縄など南の島には生息するそうです。

製作は電工用の大型圧着工具を振り回したので肩がこりました。
圧着端子は内径2ミリを採用しました。圧着端子の接合点はM3のビスでタイト(陶器)製スペーサーにネジ止めしていきます。

ハンダ付け部分はほとんどありません。
部品の取りまわしをきめ、足の長さを決めて圧着していきます。
このとき一箇所に集まる部品はできるだけ全て同時にひとまとめにして圧着していきました。
電解コンデンサーなど、特に交換の必要性がある場合は個別に圧着しておくと簡単に交換できて便利です。
交換が容易なのは圧着を多用する大きな利点でもあるでしょう。

入力から配線していきますが、入力は一番信号レベルが低くインピーダンスも高いので、アースや信号ループには細心の注意を図ります。
アースへはなるべく短く配線し、信号ループは最小になるように部品の配置を考え、信号線をアースにそって配線することでノイズの飛込みを避けます。シールド線は使用しませんでした。

部品の真空管のソケットへの配線はハンダ付けです。相変わらずカソードとプレートまわりの取りまわしは苦労します。
なぜ双3極MT管のピン配置はユニットA・Bでカソードとプレートが逆になるのでしょうか??

先に仕込んだVR周りと共に配線を進めていきます。
フェーズインバータまで終わった段階で先に出力管のプレート配線を行いました。
ここまでOPTはほったらかしにされていました。

OPTは端子にリード線をハンダ付けします。
IV単線のおかげで簡単確実にハンダ付けできました。撚り線では簡単にいきません。
その後感電対策のため、熱縮チューブをかぶせます。ここで一工夫しました。熱縮チューブを斜めにカットし、トランス正面の電極の露出をなくしてみました。感電は恐いですから。また、熱縮は2重にしました。

出力管グリッド周りは案外複雑です。グリッド抵抗と発振・暴走防止抵抗、HICUT回路、カップリングコンデンサーを同時に圧着しました。
それを出力管グリッドのソケットとPIへハンダ付けします。ここはスペーサーを使ってネジ止めにしてもよかったかもしれません。

残るは出力管カソード周りです。ホウロウ抵抗とカソードバイパスコンデンサーは交換を予想し別々に圧着しました。

おっと出力周りを忘れてた!トランスの2次巻き線からクリフのジャックへ引っ張ります。
トランス2次側のアースはプリアンプのアースポイントへひっぱります。
これはNFBをかけることを考慮するためです。NFBループに余計なノイズが飛び込むのは最悪です。
そしてNFBの動作基準点(アース)はNFBを戻すポイント(プリアンプ)に一番近いアースと同一でなければなりません。
このため、OPTの2次側アースはプリアンプのアースポイントにします。OPTの2次側アースをアウトプットジャック周辺のシャーシや、パワーアンプ部のアースに落とすとNFBの動作基準電位が適正でなくなります。

誤記訂正です。2004.11.07
アウトプット・トランス2次側のアースポイントですが,戻すのはプリアンプではなくてフェーズインバーターです。
厳密には,NFBをかけるポイントに一番近いグランドにトランスの2次側のグランドを接続します。
今回はフェーズインバーターもプリアンプに含まれますので,間違いではないですが訂正します。

以上で全て配線終了です。


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