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Monster is Comming

最終更新日2007-05-01


怪物の予感

ここはボストンではないが,怪物の予感がしている。
Monsterだ!

回路図までは用意していたものの実体配線図は書かずに走り始める。

スペースがなかったの3次元配線で欲しい回路を全て詰め込んだ。
すでにコテの入る余裕はない。。つまり部品交換は不可能。。
FenderのBF期の回路を基にしたプリアンプに今回設計し直したODステージを追加して,位相反転段にも一工夫した。

位相反転はMESABoogieのキャリバー50というモデルと似た回路になっている。
共通カソードを定電流で引っ張るいわゆる差動方式の位相反転回路になっている。

Dumpingというつまみを設けてある。
弾き手の好みによって低音の質感や量感を変化させることが出来るつまみ。
Dumpingという名前はイマイチなのでBottomという名前に変えよう。
このつまみでダンピングファクターをコントロールすることが出来る。
しかも低音のダンピングファクターのみをコントロールすることが出来る。

低域の量感は弾き手によって好みが分かれる。
ギターのコントロールがうまい人は低域が出ていても気にならないようだ。
ルカサーもサブウーハーを追加して使っているくらいだし。

部品はヨーロッパ系,オールドマーシャル&NEVEなチョイス。
40年前にはスタンダードな部品だったのだろう。
特にマーシャルが部品にこだわっていたかと考えるとそうは思えない。
NEVEはまだ信用できるが,この時代の部品はこの時代の回路で生きるだろう。
現代の回路には現代の部品が生きると思う。

実は珍しく発振に悩まされている。
原因はモンスターであること。
Twin用のトランスがでかすぎる。


どうにもこうにも発振が止まらないので対策を施す。

OPTのリード線が短いのと3本出ている1次側のリード線を2本ずつ撚るために根元から線材を継ぎ足す。
圧着スリーブで半田レスに接合して,絶縁のために熱収縮チューブを2重にし,さらに発熱したときに絶縁が破れないように耐熱性のあるカプトンテープをさら巻いた。

これで引き回しを変えてがっちり撚った状態で配線を引き回す。
そうすれば発振はおさまるはず。。。

しかし,そうは問屋が卸さず,結局OPTの位置を変更するという大工事を敢行した。

こういうときは小手先の対策では歯が立たないのでドラスティックに変更を加える必要がある。
時としてモノのコンセプトを左右することもあるが,実用性がないのでは仕方あるまい。
エンジニアリングのなかでも難しい局面だ。

結局,鉄則であるところの「入力と出力がお話しないように離す」を忘れていた。。。

OPTの位置を変更して発振はぴたりと止んだ。(大反省)

今回の発振騒ぎでいろいろと考えさせられた。

2段目の入力インピーダンスが高くなってしまうこと。電線をはじくとスピーカーから音が聞こえること。真空管の根元に手を近づけるとハムが出ること。
高電圧配線は電場を作り出し,コンデンサーマイクの原理で音が音を発する可能性があるということか。
つまり,高インピーダンス回路の難しさを色々と痛感した。結局ツイストペアだと完全にシールドできず,シールド線を使用したり,しかしながらシールド線でもダメなのできっと磁気シールドを施さないといけないこととか,はたまたトランスのケースをGNDに落すか落さないかで発振の様子が変化したり。。なんのこっちゃ。

Twin用のトランスは磁気シールドやショートリングがまったく施されていないのでフィールドが出るというか,磁力線がばーっと広がっているはず。。(もっと知的な表現は出来ないのかね)
ま,距離の2乗の逆数かなんかに比例するだろうから離すに越したことはない。

全貌はこんな感じ。うむ。キュートだ。
12インチ1発,これで出力は8Ω負荷で実測40W出た。フェーンのアルニコは許容入力100Wだが,実際に連続して100Wを入れることは出来ないはず。アルニコの減磁も気になるので余裕を持った演奏を心がけよう。

後日談:100Wの許容入力はAESという規格で規定されているらしい。ピンクノイズで2時間壊れないことと言うのが条件らしい。熱的な破壊を考慮した規格だろう。音色変化や減磁はありそうだ。

後ろから見ると12インチスピーカーが満杯に入っていて,アルニコスピーカーのベルカバーがスピーカー用のプラグにギリギリ干渉していそうで触れていない状態。
ACインレットも装備しているので幅が厳しいが真空管も絶妙に逃げている。これ以外の配置は考えられない。
本来もっと幅広なシャーシを使いたいところだが,丁度よいシャーシがない。
ギャレットのアルミシャーシは角が溶接されてしっかりしているので頼もしい。
幅いっぱいのシャーシ,バイブロラクスのシャーシとかを使ってみたいところだ。
そうするとカットアウトも広くしたいな〜しかしパネルはどうする?

OPTとスピーカーのクリアランスは奇跡の5mm!!

テスト用の回路を無理くり押し込んだけど,何とか音は出ている。
ODステージは新規回路だがイメージどおりのクランチになっている。
若干荒さが感じられるので改善の余地はありそうだ。

パネルを作りました。
作り方は秘密。予算は一枚につき200円くらい。
GO-YA Champleシリーズ第一弾,DELUXE完成!!?

●Features
・40W All Tube Circuit
・Specially Designed "Over Drive Circuit"
・12AX7 x 3, 6L6GC x 2
・Controls: VOLUME, TREBLE, BASS, MIDDLE, MASTER, BOTTOM
・12" Alnico Speaker ; FANE AXA-12
・Huge OutPut Trans Produces Exelent Low Frequency Respons
・The "Bottom" Control Nob can Control Low Frequency Respons
・High Reliability Solid State Rectifier with Impedance Control Simulates Reaction of Tube Rectifier
・Choke Ripple Filter Reduces Ghost Note
・Half Power SW
・IEC AC Inret
・Fender Tweed Deluxe Style Cabinet with Blond Tolex and Oxblood Grill Cloth


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