LINE6 DL4 EXTREME MODIFY
初稿:2012-06-06:てか工事中
ADCドライバ
目的
・差動で駆動する
・ADCのオーバードライブを防ぐ
・LPFをかける
・プリ・エンファシスする
ADC Driver Schematics ( L ch only )
差動で駆動する
ADCの入力を差動で駆動することにより,コモンモード・ノイズの影響が低減されます。 AD変換に伴って発生するノイズもキャンセルされますので,影響が少なくなります。
ハイエンドのADCは全て差動入力になっています。
DL4のオリジナル回路はシングル駆動になっていました。
入力のフルスケールは2Vrmsなので,中点を中心に2.8Vp-pの振幅となります。 なんと,電源電圧を超えてしまいます。ぎりぎり動くようです。
差動で駆動してやれば,中点を中心に1.4Vp-pとなり,全く無理のない動作になります。
ADCのオーバードライブ防止
プリアンプは±5V,ADCは+5Vで動いています。 そのまま接続するとADCの電源電圧以上に駆動してしまい,ADCを壊す恐れがあります。
DL4はツエナーダイオードを使用した振幅リミッタが入っています。
改造回路ではADCと同じ+5V電源で動くドライバICを使うことによって,オーバードライブを防止しています。
電源電圧を超える電圧を加えるのはもちろん危ないことですが,ADCのフルスケールを超えた時の挙動も確認しています。 フルスケールを超える電圧を入力するとイカチンな動作するADCもあります。
このADCはフルスケール以上の入力に対してはきれいにクリップされていました。 ですのでフルスケールオーバーに対する電圧保護はかけていません。
LPFをかける
刄ー方式のADCの手前に入るAEF(アンチ・エイリアス・フィルタ)は軽くてよいといわれていますが,それにしてもエイリアスが出てしまうと無相関なノイズになってしまいますので,1MHzで-60dB程度のLPFは必要と考えています。 20kHz以上を2次で落とすLPFをかけています。数100kHz以上では3次です。
プリ・エンファシスをかける
ダイナミックレンジを維持しつつ,高域のノイズを減らすためにプリ・エンファシスをかけています。
ADCドライバーで高域を持ち上げて,DACバッファーで高域を下げます。完全に逆特性のイコライザーをぶつけることによりF特のうねりを打ち消します。
時定数はDL4を真似してもよかったのですが,テープレコーダーの時定数に近い数字にしてみました。 高域が飽和しやすくなりますので,ギター以外の音楽信号を入力する際にはダイナミックレンジに注意が必要です。
部品
THS4521という完全差動オペアンプを使っています。オーディオ用と限定しているわけではありませんが,ADCドライバとしては使いやすいと思います。 性能は十分で消費電流が少ないという特徴があるかと思います。
他の完全差動オペアンプとの比較はこちらを参照してください。