チョイラボその2

太陽電池と電気二重層コンデンサの応用


郵便ポスト用のライト

最近はエコブームだそうで,LAZY ECOLOGY的にも何かしなくてはいけないと思った。 わけではなくて,帰宅時に郵便ポストの中身が見えずもどかしい。それを解決した。のでまとめておく。

電源は太陽電池にしましょう。それを電気二重層コンデンサに蓄電して,スイッチでLEDの点灯を制御します。

太陽電池の等価回路はダイオードに内部抵抗を付加したようなものだそうです。 発電しているときはよいのですが,真っ暗なときは電流が逆流しないように対策が必要だそうです。

太陽電池→逆流防止回路→電気二重層コンデンサ→LEDと接続します。

逆流防止回路は単純にダイオードで実現します。今回は簡単な回路が目的です。 ダイオードでも順方向の電圧降下が少ないショットキバリアダイオードを使用しました。 ショットキバリアダイオードを使用する際の注意は逆電流が少ないものを選ぶことです。 夜中の間にせっかく充電した電気が逆電流で逃げてしまいます。 電流容量が大きいものは逆電流も大きい傾向がありますので,定格1A程度のものを選べばいいと思います。 大して電流は流さないので小信号用のダイオードでもよいかもしれません。つまりは何でもよいということです。

以上で設計は終了です。


材料を集めに秋葉原へ出来向きました。 運の悪いことにお盆休みのお店が続出です。秋月が休みなのは予定外でした。 千石で全ての部品をそろえました。

・太陽電池 4.2V 22mA \510
・電気二重層 5.5V 1F \180
・LED 白 Φ8 \50
・LEDホルダー Φ8 \200
・マイクロスイッチ(これはジャンク屋で\105)

電子部品は太陽電池,電気二重層,LED,ダイオードの4点です。コレならば小学生の夏休みの自由研究レベルです。 太陽電池はハーメチックシールされていましたので,電極部分のフィルムを剥がしハンダ付けしました。 屋外に設置するのでハンダ付け部分はエポキシ接着剤を盛って電気的,環境的に保護します。 SBDと基板は手持ち。ダイオードと電気二重層コンデンサを基板にハンダ付けします。 基板はプラスチックの箱に入れました。箱にはホルダーを使ってLEDも取り付けました。 箱は100円ショップで手に入れました。

あ,ちなみに基礎的な動作確認についてですが,SBDを通じて充電すると,充電電圧は5V程度まで上がりました。 その状態で1オームの電流検出抵抗を介してLEDに電流を流すと50mAには届かない程度でした。 つまり,電流制限抵抗を挿入しなくてもLEDは破壊しないものと考えられます。 ま,壊れてもいいです。それほど力を入れているわけではないので・・・
充電時間は最速で4分以内を見込んでいます。22mAをで5Q充電するという計算です。(1F * 5V / 22mA = 5Q / 22mA = 3分47秒)




ソーラーシステム全体像。本体,太陽電池,スイッチ。



本体の中身は電気二重層コンデンサ,ダイオード,LEDだけです。


さて,基板が完成したのが夜でしたので,日が当たるところにおいて寝ました。朝起きたときは3V程度まで充電されていました。 曇り空が晴れて日光が当たると5V程度まで充電されました。電気二重層コンデンサの定格が5.5V,LEDは大丈夫かな・・・ まあ,壊れてもいいです。電圧制限を行うまでもないでしょう。

設置が終わったのが夕方でした。先ほど見てきたところうまく動いています。郵便ポストの蓋を開けるとLEDが点灯します。 結構明るいですね〜最近のLEDは。クラクラするほどです。 明日の朝,どの程度放電しているか確認したいのですが,多分早起きは無理ですね。 まあ,日没から帰宅までの5時間程度持ってくれればよいです。5Qの電荷は伊達じゃないでしょう。


今回のテーマはシンプル&エコ。回路的には色々考えると切がない。 充電電池にすればもう少し容量が増えるだろうが,充電回路に手間がかかるので電気二重層にした。 放電側の制御もLEDに流れる電流が一定になるようにスイッチング回路で点灯させれば効率がよくなるが,複雑になるのでやめた。
 太陽電池の特性を完全に引き出すためには充電にもLEDの点灯にもDC-DCコンバータを使い高効率化することが考えらえれる。 DC-DCコンバータのようなスイッチング電源を使えば太陽電池から効率よく電力を取り出して,充電することが出来る。
 今回は,電子部品は4点と言うシンプルネス。究極のエコであるような気もする・・・ でも,太陽電池の電圧が高いとLEDが破壊する可能性があるし,結構バランスは難しいかも・・・

店頭で部品を選びながら設計を進めていくというのもなかなか楽しいものですね。行き当たりばったりに失敗はつきものですが・・・


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