シングルコイルピックアップの比較

自分の耳とギタマガの確からしさを比較


趣旨

ギターマガジン2011年6月号にストラト用のシングルコイルピックアップの比較記事が掲載されている。 個人的にピックアップを変えたいと思っていたため,非常にありがたい企画であった。 しかも最近出てきたばかりの気になるピックアップが含まれているので,なおさら興味を引かれた。

普通は,紙面を見ながら付録のCDを聞き「こんなもんか〜」とやるのが一般的だと思う。 しかし,今回は紙面は見ずに,自分の耳だけを頼りにして,お気に入りのピックアップを探って見ようと思う。

録音された音だけで判断するので非常に難しい。 実際に弦をはじいて体感しないと違いがわかりにくい。 ピックアップは演奏の仕方で評価が変わると思うので,定量的な比較が難しい。

ま,遊びです。


結果

TrkNoTotalPowerじゃりごり各弦
Balance
各PU
Balance
Comment
Trk05★★★+★★★★★★★★★★★★★バランスがよい,やや癖がある,1弦はよい,BRGはまとも
Trk06★★★★★★★★★大きめしっかり,低音弦に芯がある,太いが,繊細感はない,BRGでかい
Trk07★★★☆★★★★★★★★★★★★★★ややブライトと,じゃり,各弦のバランスはよい,ピックアップポジションのバランスもよい
Trk08★★★★★★★★★★★★NEKの音色があまい,巻き弦がごりっと,ミドルがしっかりしてフラット,BRGも癖はすくない
Trk09★★★★★★★★★★★★★★音量は小さめ,バランスはよい,枯れている,ピッキングニュアンスがよくでる
Trk10★★★★★★★★★★★★やや大きい,高音弦に特徴がある,BRGがやすっぽい
Trk11★★★★★★★★★★★★★★★★弾む感じがある,各弦のバランスもよい,倍音がよくでてる,BRGの高音弦がつよい
Trk12★★★★★★★おとなしい,バランスはよい,BRGが硬い
Trk13★★★★★★★★★★★★★やや丸いけどうまくまとまっている,高音弦のバランスはよい,BRGもバランスはよい
Trk14★★★★★★★★★★★★★★★★硬くてくっきりしてる,きれいすぎる,BRGを含めてバランスもよい
Trk15★★★★★★★★★★★★★★しゃりっとしてる,音域のバランスはよい,BRGもまあまあだがちょとでかい
Trk16★★★★★★★★★★★センターの低音がごりっと,高音弦はよい,BRGのバランスはまあまあ
Trk17★★★★★★★★★★★★★NEKはきれい,ややじゃり,BRG太いHBみたい
Trk18★★★★★★★★★★★★★★★弾む感じがある,各弦のバランスがよい,BRGはまあまあくせは少ないほう
Trk19★★★★★★★ややまるいが高音弦はまともでバランスはよい,BRGはまあまあ,低域がうすい

★:がんばろう,よわい
★★:ふつう,中庸
★★★:よい,つよい
*「TrkNo」は付録CDのトラックナンバーです。メーカーとの対比は各自ということで。


総評

ネック側とセンターより,ブリッジ側のピックアップは難しいと感じた。 ブリッジはパワー重視のものとバランス重視の物に分かれたように思う。 今回は各ピックアップのバランスがよいかどうかに着目したので,ブリッジがパワー重視のセットは採点を低くしている。 また,ブリッジは単調な音になりやすいようで,表情が豊かなものを評価した。

パワーの大小は割と簡単に比較できるが,パワーが強ければよいという視点には立っておらず, むしろパワーが弱くてもピッキングニュアンスがよく出ているものを積極的に評価した。

デモ演奏の優れた点は,各ピックアップ・各弦について満遍なく弾かれていることであり,評価したい。 おかげで,各ピックアップの各弦のバランスについて注意深く評価することができた。 今回は特に1弦と2弦の音量感の差に注目して評価を行った。 フレットポジションについてもローポジションからハイポジションまで含まれていたので参考になった。 特にローポジションでの弦のビビりの出具合は高音域「じゃり」の評価に役立った。 ハイポジションでは特にブリッジ側においては,基音が強くなり倍音が出にくいが,物によって表情が異なるので参考になった。


スピーカーの比較であれば,録音した音源を再生するだけで簡単に比較ができる。 しかし,ピックアップの音を出すにはピッキングが必要であり,ピッキングを記録することはできない。 ピッキングの速度や角度を完全に再現するのは難しいだろう。プロのギタリストはすごいな〜


追記:110607
紙面を見ながらCDを聞きなおしたり,WEBでほかにも評価している人がいるのでそれを見たり。 やはり,先入観があると評価がまったく違ってくる。

結局,自分は絶対的に耳は無いので,各トラックの相対バランス(パワー・音色)に終始してしまった。 各弦の音量バランス,各ピックアップの音量バランスならば分析的に聞き取れる。 細かい音色やニュアンスなどの音の表情は「よくわからなかった」と言えよう。

ただ,不思議なのは,Sago New・・・とSuhr Guitarのちがい。 紙面では前者はジャジーだとコメントがあり,後者では切れ味が強調されている。 しかし,聞いてみると,私的にはSago New・・・の方が中抜けしていてブライトに聞こえる。 データ的にもDCRがとインダクタンスが低いSago New・・・の方がブライトなのは妥当だと思える。

ということで,コメントが入れ違いになっていないかな〜なんて邪推している。

ほしいと思っていたやつが自分の評価では低くて, 高価な手巻きのやつも違いがわからず, パワーが低いけどすごく気になったやつはハムバック構造だし, 結果,一番評価が高いのは国産のハイコストパフォーマンス品と落ち着いたんだよね(汗)

それが自分自身の生き方であるということですな(^ー^)

あ,でも,最初に聞いたとき,最初のトラックが基準になりそうだなと思ったら,それが本家フェンダー製だったのはエライかも!


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