真空管ギタープリアンプの回路設計
リバーブ回路
図も写真もなく不親切で申し訳ありません。。
わたしの作ったアンプに採用したスプリング・リバーブを使ったリバーブ回路について簡単に説明しておきます。
スプリング・リバーブのドライブ方法
リバーブ・ドライブ回路は12AT7の2ユニットをパラレルにしてシングルA級動作させ,小型トランスを使ってスプリング・リバーブ・ユニットをドライブしています。 リバーブ・ユニットの入力インピーダンスは8Ωのものが使っており,ドライブ・トランスは25k : 8Ωのトランスを使っています。 フェンダーの標準的なやり方です。
ドライブ回路の入力で信号レベルを適当なレベルに調整します。 入力信号が大きすぎるとスプリングがギュチャギュチャいうだけのリバーブになってしまいます。
また,HPFで160Hz以下の信号はカットしています。 低音がスプリングを揺らすとビヨビヨ感が増します。 きれいなリバーブが欲しい場合は低音をカットします。 逆にサーフ系のビチョビチョしたリバーブがほしい場合はFcを下げます。
スプリング・リバーブ受け側(リバーブ・アンプ)
リバーブ・ユニットから返ってきた信号は220kΩに2200pFを並列にして受けています。 これはフェンダーの回路図をそのまま使っています。
リバーブ音は1段増幅した後,Fcが1kHz以上という高めのHPFを通して本線に戻します。 リバーブ音の成分は基音を含まない倍音なので,このHPFはFcを高くしています。 中音域までFcを下げると厚みのある豊かなリバーブになるかとは思いますが,どうなんでしょ。
リバーブ・ミキサ
リバーブ音はVRでレベルを調整して元のドライ信号に混ぜます。
フェンダーのアンプはこの信号を混ぜる部分に3.3MegΩを使ったりしています。 しかし,あまり大きな抵抗値を使うと帯域劣化,ノイズの増加等の悪影響が心配です。 わたしの作ったアンプでは抵抗値を低くした独自の混合回路を設計しました。
種類・供給
スプリングリバーブにも色々な種類があります。 メーカーは「アキュトロニクス(Accutronics)」が有名です。 しかし,現在は韓国のBELTONというメーカーが製造しているようです。
昔はカラオケ装置によく使われていたようで,松下製のスプリングリバーブなんてのもありました。
入力インピーダンスは真空管ドライブでは8Ω,半導体ドライブでは600Ω以上が便利です。
大型のスプリングのほうが中低域までリバーブがかけられ,豊かな音になると思われます。
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