スプリングリバーブの中身に迫る!
2001年頃初稿
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まずは全体像です。下向きに2本出ているのが入出力(RCA)です。
刻印のアップです。ACCUTRONICSの文字が見えます。
裏返りました。3本のバネが見えます。 四隅のバネでフローティングされたアルミのサブシャーシに載っています。
入力側です。コイルが見えます。コの字型のヨークが見えます。 コイルのDCRは1Ω以下と思います。テスターがへぼで正確にはわかりません。
出力側です。ヨークの形が違います。コイルのDCRは20Ω程でした。
この写真の拡大が下の写真です。
入力側です。バネの端のU字型の部分が取り付けられている金具があります。 そのすぐ右隣の筒状の物体,磁石色をしています。ずばり,これが磁石です。 上下のヨークに挟まれているので,その間の磁界の変化で磁石が振動し,バネに伝わるのでしょう。
出力側もほぼ同様の構造です。
今回のアキュトロニクスのリバーブは小型のタイプです。アキュトロニクスのリバーブは,バネの数や,長さでいくつかバリエーションがあるようです。
一番重要なバネですが,相当ゆるいものを使用しないと,バネの固有振動数が高くなります。 入力される信号がバネの固有振動数に近いと共振を起こしてしまうため,バネがビヨビヨ鳴るだけできれいなリバーブが得られません。 したがって,入力される信号はフィルターを通してバネの共振周波数に近い低周波をカットする必要があります。
出力側ではバネのビヨビヨ成分を増幅してしまうとスピーカーが揺さぶられますので,入力側と同様にHPFを通して低周波をカットする必要があります。
入力側,ドライブアンプのHPFは320Hzほど。出力側のHPFは800Hzくらいが一般的みたいです。これはちゃんと調べていませんので一例と考えてください。 また,出力側にはLPFもつけたほうがソフトなリバーブになるようです。
図1:入力側のHPF
図2:出力側のHPFとLPF
先ほども述べましたが,入力HPFのfcを下げると,スプリングが低音で振られるのでビヨビヨ感が増します。 スプリングリバーブ特有のピシャピシャした音になります。サーフ系には好適です。
スプリングリバーブをドライブする場合は数Wのパワーアンプが必要になります。 Fenderのアンプなどをざっと調べた結果,12AT7並列やEL84や6V6のシングルアンプ,パワーアンプ出力に並列に接続などの回路バリエーションがあるようです。 もちろん半導体アンプでも構わないとは思います。
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