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なんとまたもや改造・完成か?

初版登録:2011-07-29 工事中


ラスト・モデファイ・リターンズ

入力周りの定数を見直した。

いつまでも終わらない,改造ループ。。

ことの発端はFET入力が微妙に篭って聞こえること。 なぜかストラトよりも335の方がわかりやすいのだが,ちょっぴりだけどFET入力は抜けが悪い。

FET Booster回路はまったく帯域制限を行っていないので,数MHzまでレスポンスがある。 ラジオ等の混信が心配なのでLPFを入れておいた。それが悪さをしているのか・・・

そもそも,ギターアンプの入力回路は不思議なんだな。 68kという抵抗がよく使われる。この抵抗は初段の12AX7の入力容量と組み合わせてLPFを構成する。 シュミレーションベースではミラー効果も込みで100p程度の容量がありそうだ。 68kだとfcはちょうど20kHzくらいにくる。

この68kというマジックナンバーはアンペグやギブソンの回路でも見られる。VOXもだったな。 まあ,音声増幅回路と考えると入力で20kHzのLPFを通すのは妥当だ。 いろいろなアンプを見ると47kか56kか68kあたりがスタンダードらしい。

ということは置いといて,入力に10kと220pFをぶら下げていたのだが,どうもこいつが気持ち悪くなってきた。 ピックアップとシールドの容量がおこす共振がギターらしさを演出するのだが,この220pが悪さをしているような気がしてきた。

つまりは,ギターとシールドケーブルとギターアンプの入力回路は,レオ・フェンダーの設計がリファレンスになっていて, その設計から外れることは神をも冒涜する行為ではないのだろうか・・・なんて。。。 その組み合わせが作り出すトーンはリファレンスなのではないだろうか。

ちなみに68kは結構大きな値で,熱雑音というノイズを発生させる。 FET Boosterをノイズ解析するとこの入力に入るシリーズ抵抗が一番のノイズ源になっている。

ハイゲインアンプではこの抵抗がアンプ全体のノイズ特性を決めているといっても過言ではない。

ただしギターのPOTも影響してくる。250kのPOTだと最大で62.5kの出力インピーダンスを持つ。 偶然にも68kという値に近い。ノイズは2乗加算なので2本シリーズに加算すると1.4倍になる。

ギターのボリュームを絞るとホワイトノイズが増加するポイントがある。 50%に絞った点だ。この状態で出力インピーダンスは62.5kだ。 さらに68kを入れるとノイズは1.4倍になるということだ。

まあ,たいしたこと無いだろう。

で,自分のアンプはどうしたかというと,10k-220pFのLPFは廃止。68kのみにする。 これでフェンダーのリファレンストーンになるというわけだ。ちなみにダンブルはここを22kにしている。

FET入力は68kでもよいのだが,ノイズが増えるので10kのまま。 Cをパラるとピックアップに負荷容量としてぶら下がるので共振の出方が変わる。なのでCは外す。 しかし,このままではミラー容量がキャンセルされているので,入力容量が小さすぎてLPFにはならない。

入力に10pFをいれた。1.6MHzのLPFになる。チップセラミックを使ったのでVHF帯でもLPFの効果が出るだろう。

この場合,もし仮にAM帯が入ってきたときはリニアに増幅されるので検波されないと仮定する。 初段の68kは有効なのでここで落とされて後段で検波される心配も無い。

「FET Boosterはエフェクターだ」と自分に言い聞かせる。 エフェクターの入力回路は実にいい加減だ。それよりはましだろう。


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