秋月電子のUSB DAC KITを製作,ベンチマーク


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AKI.DAC-U2704 REV.C

デスクで作業中,特にエクセルデータ整理やパワポの作成なんかをしていると非常に心が荒れてくる。 そんなときに音楽を聴いたりするのだが,IPODなんかだとちょっと違和感がある。 そんなときに新しく支給されたパソコンで音楽を聴いたら音がよくてびっくりした。 10年前から使っている作業用のディスクトップには何枚かのCDが入っているのだが,コレはコレで正面にヘッドフォンジャックがないのでめんどくさい。 ということでUSB DACとヘッドフォンアンプをつくろうじゃないか〜というのり。

まずはUSB DAC

PCM2704などのチップを単品で手に入れて組み立ててもいいのだが,めんどい。 ということで秋月電子のキットを使うことにした。

ぺるけさんのトランス式も相当気になったのだが,予算不足により断念。 THs-2を持っているのだが,組み込んじゃってるのでばらすのがめんどくさい。 昔,買ったときはもっと安かったのに・・・今は高い。

LPFが必要ってのはもっぱらの評判だし,必要な気がするので色々考えたのだが,OPAMPを使うと電源が必要だし。。。めんどい。 パッシブでとりあえず行ってみよう。ってのりで買出しに行ってきた。

AKI.DAC

ゴールデンウイーク中だからか平日にも関わらず秋月の混雑ぶりは相変わらずで,キットが全然見つからない。 入り口のレジ脇でゲット。音質アップ用のコンデンサーセットも140円だったので買っておいた。

組み立ては簡単。回路図と部品を照らし合わせながらシルクで示された部品リファレンスにしたがって半田付け。 背の低いものから取り付けるとやりやすい。作業時間は15分くらい。

出力のカップリングコンデンサは取り付けないでおく。

改造

通電前から改造してしまった。

・電源にFBを追加:2箇所
・電解コンデンサに22uFの積層セラミックコンデンサを追加:4箇所
・その後,PCM2704のVCOMに1000uFを追加,低域のチャンネル間クロストーク改善に効果絶大

ノイズの観測

待ちに待ったノイズの観測だ! WaveGenで-30dBのサイン波を再生する。 オシロで見てみるが,そんなにノイズっぽくない。20mVレンジじゃダメだろうか。。

RMAAでのベンチマーク

以前から存在は知っていたが,初めて使ってみた。

オーディオインターフェースはM-Audioの「Audiophile 2496」だったと思う。

手持ちのDACをいくつか試したのでベンチマーク結果を示す。

・「PCM1704」はDF1706とVCXOを使った自作DAC
・「PCM2704」はAKI DACを改造した
・「PCM-D50」はソニーのPCMレコーダー
ベンチマーク結果

・「PCM2704」はオリジナルにFBと石セラを追加
・「PCM2704_2」はパッシブの2次LPFを追加
・「PCM2704_3」はさらにVCOMに1000uFを追加(チャンネル間クロストークが劇的改善!!)
ベンチマーク結果

ってな感じで疲れた。

所感

LPF効果あるんだろうか。ノイズは出てるんだろうか。 LPFいらないんじゃないの?スペアナで見てみるのがいいね。

でも電源ノイズの影響は大きそう。

1kHzはどうして出るんだろうか・・・


追伸

LPFの有無を比較。スペアナで見ると1MHz付近にノイズの分布を確認することができる。

PCM2704 OUTPUT SPECTRUM BEFORE LPF
LPF前
PCM2704 OUTPUT SPECTRUM AFTER LPF
LPF後

左がLPF手前,右がLPF後。
404kHzにピークがあり,数10kHzから2MHzに渡ってノイズがみられる。LPFは効果あり。

PCM2704の出力レベルは電源の0.55倍
とデータシートに記載されています。

              3.3V x 0.55 = 1.815Vpp = 0.642Vrms

正弦波と考えてdBmに換算すると    :   9.14dBm
  ∵ 0dBm = 0.224Vrmsより

SN比を100dBとするとノイズフロアは: -90.86dBm・・・(A)
  ∵ 9.14 - 100 = -90.86

MARKERの読み値             :  38.83dB  @404kHz
スペアナのノイズフロア(RL) :-108.8 dBm

              -108.8 + 38.83 = 69.97

ノイズのPeak電圧の絶対値は -69.97dBm @404kHz・・・(B)

ノイズ電圧の絶対値が求まった。 ノイズPeak電圧(B)をノイズフロア(A)以下にすればノイズが無視できることになる。

(A)と(B)より

                90.86[dBm] - 69.97[dBm] = 20.89dB

ノイズを20.89dB≒21dB下げればSN比100dBノイズフロアを下回る。

2次のLPFだと12dB/octで切れると仮定する。21dBの減衰量を得るためには・・・

            21[dB] / 12[dB] = 1.75[oct]

404kHzの1.75オクターブ下にFcを設定すればよい。1オクターブは周波数が2倍なので,1.75オクターブ下というと・・・

            404/2^1.75 = 120[kHz]

以上より12dB/octのフィルターの場合,Fcを120kHz以下にすれば,404kHzのノイズを21dB落とすことができる。

結論としては余裕を見て低めにしておき,Fc:80kHz,2次のLPFならば充分に切れる。

PCM2704 POST LPF
定数はこんな感じ。パッシブの2次LPFなので初段のインピーダンスを低めにして,2段目は5倍のインピーダンスで受けています。定数は手持ちのE3系列から選定。 Fcは大体揃うようにしています。パッシブではQを高くできないので切れが悪く,2次のスロープ(12dB/oct)が得られるのはFcより大分高い周波数になります。 とはいうもののFcを下げると20kHz付近でも位相が回ってしまい,逆にFcを上げるとノイズの切れが悪くなります。

RMAA測定でLPF有無の結果に差が出ないのはADボードに組み込まれAEF(アンチ・エイリアス・フィルター)のおかげだろう。

同じく聴感上の差が出ないのは,パワーアンプが真空管アンプでOPT付でかつ無帰還だからだろう。

高周波に対して無防備で,不安定・発振しがちなアンプ,もしくはRFI整流作用が出るような帯域の狭いアンプ,はたまたPWMアンプでは影響が大きく出るのではないか。


UPDATE MEMO

レギュレーター出力に0.1uFを入れたところ発振(汗) 220uFを追加したら発振は止まった。


思い出したこと

ノイズ観測のスペアナは50Ω受けなので,100+470Ωが入っただけで20dBくらい減衰しちゃう。。。 だから完全にノイズがなくなっているかどうか,観測できたわけではない。


3.3V REGを作ってみる

やはりバスパワーからのノイズが大きいと思われるので何とかしたい。 レギュレータで安定化されているが,普通の3端子レギュレータは高周波は筒抜けだ。 フェライトを入れてノイズ対策としているがどこまで効果があることやら。

レギュレータを刷新しようと思うが欲しい性能のICはない。ディスクリートで作ってみよう。

目標

・USBバスパワーからくるノイズをできるだけ減らす:高PSRR
・レギュレータ自身が発するノイズを最小にする:低ノイズ
・低ドロップ(5.0V−3.3V=1.7V,最終的には4.5V−3.0V=1.5V)

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聞いた感想

ぞくぞくする再生音を聞いたの久しぶり。
バイブの響きが気持ち悪いほど実体的。
シンバルなどの金属楽器の粒立ちがよく実体感がすばらしい。
低域の抜けが良い。
ステージに広がりがある。
アコスティックギターのタッチニュアンスがリアル。シャランという鈴鳴りのコード,粒立ちのいい単音。マーチンって感じ。

イヤホンは10年前に買ったCD-WalkManに付属のイヤホン。安物。

でもすぐに慣れてしまった・・・


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